バンテージポイント

【ストーリー】
スペイン・サマンカ、マヨール広場。国際テロ対策の首脳会議が開催される会場にて、アシュトン米大統領への狙撃事件が発生。事件の鍵を握る重要な目撃者は8人いたが、彼らが異なる地点・立場から見たものは違っていたーー。現場にいたシークレット・サービスのトーマス・バーンズは、事件の裏に隠された真相をたった1人で追い始めるが…。(amazonより)

前評判も高かったので期待してみましたが、これは大正解でした。おもしろかったです。
最初は、首脳会議の会場を中継するテレビクルーの移動スタジオのなかから事件をみせて、テレビカメラ視点なので、当然全体がわかるはずもなく、狙撃がどこから行われたのかも、狙撃後会場の外や、中で爆発事件がつづけざまに起きるのも何が起きているかわからない状況です。

その正午から、大統領暗殺までの23分間とその前後が、登場人物の別の視点で8回繰り返すことで、事件の全貌がだんだんと知らされてくるとういう構成です。

最初はテレビカメラ、次にシークレットサービス、その場にいた警官、ただの見物人、大統領本人、実行犯のなかでも複数の視点から、それぞれ微妙に時系列の先や元にもどしながら進めていきます。

黒沢映画の羅生門のような、視点を変えるとこうも、全体像は変わって見えるのかと思わせる脚本にとても満足がいきました。

最後、視点をかえていった当事者同士が、事件のラストにむけて集結していく様子は、「そんなわけないじゃん」というところもあるものの、非常におもしろかったです。

これはおすすめの映画です。