アルケミスト−夢を持つすべての人に

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

アルケミスト 夢を旅した少年 (角川文庫)

「アルケミスト」はスゴ本: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるを読んで購入
感動、感動、これはいい本でした。
パウロ・コエーリョ(ブラジル)が1988年に発表した作品です。ブラジルでは「星の王子様」と人気を二分する作品だそうですが、私は今まで知りませんでした。

もっと有名になってもいい本です。

内容は、スペインの羊飼いの少年が、宝物を探してエジプトのピラミッドを目指すという寓話です。標題のアルケミストとは、その道中でであう錬金術師(アルケミスト)のことです。

自己実現本として読むと非常によいメッセージが多くありますが、その中で一部を紹介します。

「おまえが何かを望むときには、宇宙全体が協力して、それを実現するために助けてくれるのだよ」

「人は自分の一番大切な夢を追求するのがこわいのです。自分はそれに値しないと感じているか、自分はそれを達成できないと感じているからです。見つかったかも知れないのに永久に砂に埋もれた宝物のことなどを考えただけで、人の心はこわくてたまりません。なぜなら、こうしたことが本当に起こると、非常に傷つくからです」
「ボクの心は、傷つくのを恐れています」(略)少年は錬金術師に言った。

「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求しているときは、心は決して傷つかない。それは追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ」
(略)
「僕が真剣に自分の宝物を探している時、毎日が輝いている。それは、一瞬一瞬が宝物を見つけるという夢の一部だと知っているからだ(略)」

自分の追うべき夢を見つけて、それに向けて動いているつもりが、いつのまにかその夢の実現を諦めている人が多くあり、またそう言う人を目にすることがあります。

しかし、傷つくことを恐れるのではなく、真剣にその夢を求めるときには、心は決して傷つかないものです。
あまりに大きな夢である場合、それはもうできないのではないかと、知らず知らずのうちに感じているのではないでしょうか?
できなかったとしたら、それはとても精神的にもダメージの大きなことです。
しかし、「傷つくことを恐れるのは、実際に傷つくよりもつらいこと」というのは、本当だと思います。
恐れの余り、傷つくことを避けた結果が、もっと自分を傷つけ、夢までも自ら手放していることに気がつくべきだと、私も思います。

夢を持つ人、かつて夢を持っていた人、みんなに読んでもらいたい1冊です。
お勧め。