イノベーションのジレンマ(技術革新が巨大企業を滅ぼすとき)−成功体験が企業を成長させないというジレンマに納得
イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)
- 作者: クレイトン・クリステンセン,玉田俊平太,伊豆原弓
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2011/12/20
- メディア: 単行本
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成功してきた企業が破壊的イノベーションに直面したときに、すぐれた経営刊行が失敗する要因となるなら、問題に対する一般的な解決策として、これまで以上に綿密に計画し、懸命に努力し、顧客の意見を受け入れ、長期的な視点に立つことは、すべて問題を「悪化」されることになる。
という、ことがいろんな事例を挙げて、これでもかこれでもかと書かれてあり、大変勉強になりました。
技術関係の業界に限らず、サービス業にも同じ事がいえるというように感じました。顧客に喜んでもらうという意味では、企業はみな同じだと思います。
だから、ある分野である技術による商品がヒットすると、そこでえた顧客の要求にどんどん応えていくうちに、延長技術で、技術が顧客の要求より高度化したときに、まったく別の技術による破壊的イノベーションが起きると、新たしい市場を逃してしまうと言うことがよく分かります。
現在なら、プレイステーションは、分かり易い例です。プレイステーションは、PS1のヒットを受けて、PS2で大ブレークしました。その延長セイン上の新型機種であるPS3は、みなさんよくご存じの失敗状況が続いています。
一方、ライバルのXbox360は、ネットワークに特化した形のサービスを展開し、コアゲームファンをPSから奪い。
任天堂は、DSやWiiというまったく別のアプローチで、新しい市場を作ってしまいました。
差し迫る業界リーダーの座からの転落の根底には安定を目指した経営判断がある。(P140)
新しいプロセスの能力の開発が難しい二つめの理由は、経営者が既存のプロセスを、すなわち目的に使う限り完璧に機能する方法を、捨てられないことである。(P236)
高度化しすぎる技術、やりすぎなサービスは、結局顧客の需要を満たせないので、ヒットを飛ばすことはできません。
成功した企業は、明確に意識しているにせよ、直感にせよ、顧客の需要の軌跡と、自社の技術者の供給の軌跡の両方を理解している点で共通している。
どんなすごいものでも、顧客の喜ぶものでなければ支持は得られないということがよくわかりました。
これはいい本です。お奨めします。