コピー用紙の裏は使うな!コスト削減の真実

コピー用紙の裏は使うな!―コスト削減の真実 (朝日新書 37)

コピー用紙の裏は使うな!―コスト削減の真実 (朝日新書 37)

コスト削減の真実という副題があるので、なにか効率的なコスト削減方法を、Tipsの形で書いてあるのかと思えば、さにあらず。
これは、立派な組織論の本でした。

コストが下がらない真の原因は「経営」と「現場」の間の大きなへだたり(意識のすき間)にあります。組織は冒頭にも述べたように、できた時点が最高で、何もしなければ、時とともに衰退に向かって突き進むもの(p63)

最後に最強の組織を作る5つの方法を紹介し

これらが揃ったとき、そこには「経営」と「現場」とが高いレベルで近づいた、極めてすき間の少ない強い組織が実現しています。「見せて、任せて、検証して、評価して、分配する」ことで必ず大きなコスト削減が実現します。「正しいコスト削減」実現の、最大の黄金律です。

コスト削減が、利益向上にどれだけ大事かはこの本を読んでよく分かりました。
電気代など10%の経費節減で、人を増やしたりすることができるだけの売り上げを上げるのと同等の効果があります。

しかも、コスト削減ですから、追加の投資はあまりかからない場合が多いです。
それも、現場が経営の間隔を持ち、経営が現場を信じて任せることが不可欠です。

コスト削減という目に見える、わかりやすいものを通して強い組織とはどういうものかを教えてくれる良書です。