空気と戦争

空気と戦争 (文春新書)

空気と戦争 (文春新書)

猪瀬直樹氏の書いた本ですが、太平洋戦争開始前の、日本の様子が分かりやすく描かれています。
東条英機の人間像が、結構変わってしました。

表題にもあるように、戦争開始前に、日本では総力戦研究所というところで、当時の若手官僚を中心に戦争を予測していました。
データでつきあわせてみると、日本は負けると言うことは分かっていました。
それなのに、戦争に突入していったのはなぜなのか。

いわゆる「空気」によって、状況がどんどんわるくなっていく様子が描かれています。

今日からガソリンが値下がりしていますが、道路特定財源問題もなんだかよくわからないまま、進んでいます。

時代の空気、場の空気でものごとが決まってしまうのが、日本には特に多いです。
それでは、正しい判断ができなくなってしまいます。
そういうった空気に流されないにはどうしたらいいか

同調圧力」に屈しないためには、「自分探し」などというヤワなものに捉われずに、技術者という自分の役割の中で自分にできることは何かを「事実」にもとづいて、論理とデータで考えていくことだ。そうやって社会で働いていれば自然と「空気」とは無縁の「オンリーワン」になれる。

本当にそうだと思います。

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!にも、こういう言葉が紹介されています。

ファクト・ベースの意思決定がいちばんだ。
その素晴らしいところは階層構造をくつがえしてしまうことだ。
ファクト・ベースの意思決定であれば、いちばん若い下っ端の人間が、
いちばん上の者を議論で打ち負かしてしまうことができる。── ジェフ・ベゾス

現実を見つめ、事実を見つめ、それに基づく行動は、空気に負けない「強い個」を生み出すということだと思います。