ビジョナリーカンパニー2

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

これは凄い本です。
アメリカの、偉大な企業へと成長を遂げた企業に共通したものは何かを調べたもの。

成功した偉大な企業は、競合する他社と何が違うのか。
まず、リーダーが第五水準であると説明してあります。

第五水準のリーダーシップ

  • 「第五水準」とは、企業幹部の能力に見られる五つの水準の最上位をいみしている。第五水準の指導者は個人としての謙虚さと職業jンとしての意志の強さと言う矛盾した性格をあわせもっている。野心的であるのは確かだが、野心は何よりも会社に無かられていて、自分個人には向けられていない。
  • 第五水準の指導者は,熱狂的といえるほど意欲が強く,偉大な企業への飛躍に必要であれば,どれほど大きな決定でも、どれほど困難な決定でもくだしていく
  • 偉大な企業への飛躍を導いた指導者は,まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし,次にどこに向かうべきかを決めている.
  • どういう人が「適切な人材」なのかは、専門知識,学歴、業務経験より,性格と基礎的能力によって決まる。

企業や団体も、まず人ありきということが分かります。
能力よりも、性格と基礎的能力とあります。
一つ前のエントリーで紹介した。リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間でも「技術は教えられるけど、人格は社員教育できない」とありました。

  • 偉大な実績に飛躍した企業はすべて、偉大さへの道を発券する過程の第一歩として、自分のおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視している。

ただの大言壮語では、成功しないと言うことですね。

  • 上司が真実に耳を傾ける社風を作る基本的な方法が四つある。
  1. 答えではなく、質問によって指導する.
  2. 対話と論争を行い、強制はしない
  3. 解剖を行い、非難はしない
  4. 入手した情報を無視できない貞応に帰る「赤旗」の仕組みを作る

いずれも大事なことと思います。
最近読んだ本はじめての課長の教科書でも、同様のことが紹介してありました。

そして、絶対あきらめないと言うこと

偉大さへの飛躍を導く姿勢の鍵は、ストックデールの逆説である.どれほどの困難にぶつかっても、最後には必ず勝つという確信を失っては成らない.そして同時にそれがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなければならない

あきらめないという気持ちに加えて戦略はどうかということについて

第5章 単純明快な戦略

  • 自社が世界一になれる部分はどこか、そして同様に重要な点として、世界一になれない部分はどこかを理解することである(世界一に「なりたい」分野ではない)。針鼠の概念は目標ではないし、戦略でもないし、意図でもない。理解である。
  • 経済的原動力に成るものが何かを見つけ出すには、最大の影響を与えるひとつの分母を探し出すべきだ。(企業なら「Xあたり利益」、非営利事業なら「Xあたり年間予算」のXを探し出す。
  • 情熱をもって取り組めるもの

と言われています。これをハリネズミの法則と呼んでいます。

偉大な実績に飛躍した企業は、針鼠に似ている.針鼠は単純で冴えない動物だが、たったひとつ、肝心要の点を知っており、その点から離れない。

3つのことを軸に、そこから外れないということが大事です。
だからこそ、

偉大な実績を持続する為には、偉大な産業で事業を行っていなければ成らない訳ではまったくない。飛躍した企業は、産業がどれだけ悲惨であっても、卓越した利益をあげる方法を見つけ出している.

こういうこともできるんですね。

第6章 人ではなく、システムを管理する

  1. 官僚制度は規律の欠如と無能力の問題を補うものであり、この問題は不適切な人をバスに乗せていることに起因する。適切な人をバスに乗せ,不適切な人をバスから降ろせば、組織を窒息させる官僚制度は不要になる。
  2. 偉大な業績を持続させる為にもっとも重要な点は、針鼠の概念を熱狂的ともいえるほど信奉し、三つの円の重なる部分に入らないものであれば、どんな機会でも見送る意志をもつことである。

ただの多角経営では失敗すると言うことです。
GEはどうなんだ?と思いましたが、ここは、「人材養成世界一」という観点で仕事をしているので、三つの円からはみ出ません。

第8章 劇的な転換はゆっくり進む

  • 終結果がどれほど劇的であっても、偉大な企業の飛躍が一気に達成されることはない。決定的な行動、壮大な計画、画期的な技術革新、たったひとつの幸運、魔法の瞬間といったものはない。
  • 巨大な弾み車を回転させているのに似て、当初はわずかに前進するだけでも並大抵ではない努力が必要だが、長期にわたって、一貫性をもたせてひとつの方向に押し続けていれば、弾み車に勢いがつき、やがて突破段階に入る。

一回一回では、なかなか弾み車は回りません。
しかし、1回、10回、100回と回し続けていくと、やがて勢いが付き、大変な力を発揮します。

その前提は、ハリネズミの法則に当てはまるのは、自分のいる会社、団体では何なのかと言うことを真剣に考えなければなりません。
出版されたのは、結構前ですが、いわゆる「良書」の中でも、相当なスゴ本です。
読んでない人はぜひ読んでください。