デッドライン仕事術

デッドライン仕事術 (祥伝社新書)

デッドライン仕事術 (祥伝社新書)

トリンプを19年連続、増収、増益に導いた吉越浩一郎氏の仕事術本。

一言で言うと、残業するな。デッドラインを決めろという仕事術です。

会議についても、ブレーンストーミングなんかは、責任逃れとばっさり。
会議は話し合いの場ではなく、決断の場であると言います。
個人的には、会議は決断の場であるという著者の意見に賛成です。
会議をしても、なんとなく進む感じがしないのは、そこで決めるということがなく、参加者が準備不足になるからです。

吉越氏は、その場で即決、発表者がうまく意見をまとめることができていなければ
「明日までやり直し!」とデッドラインを決めてまた明日やると言った次第。

緊張感が走りますが、そういうスピード感、決断以外は部下に任せる仕事術というのは、さすがと思います。

ですから上司の立場にたったなら

部下にとって最高の褒美は、「上司が何も言わないこと」

たとえ、こうしたほうがいいのにと思えることがあっても、社員が自発的に、デッドラインにむけてやっている場合は、チェックはしても、邪魔はしない。「やらされている」とは思わせないということです。

仕事は部下に任せて、「デッドライン」で管理する。
部下の仕事の「方向性のずれ」は見逃しがちなので要注意

また、吉越氏は、現場が大事と繰り返し書いています。

会社が潰れるときというのは、社内から崩壊していくと言われているからである。売り上げや収益の問題ではなく、「社内の協力体制」や「社員のモラル」などが崩れたときに、会社は内側から腐っていく

会社によりいろいろと変わるでしょうが、現場で働く人間が、いきいきと、楽しく、充実感をもって働かねば、業績が上昇することはありません。
部下にとって最高の褒美ということころにも通じますが、現場の人間がやる気を出すように、やる気をなくすようなことはやらないと言うことです。

リーダーの心得5
経営の仕事の答えは、すべて「現場」にあると心得よ

と最後に締めくくられる本書は、限られた時間でとにかくやりきるという意欲と、リーダーの心得について分かりやすくまとめてある、善い本だと思いました。