明日の広告
明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)
- 作者: 佐藤尚之
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2008/01/10
- メディア: 新書
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君が人を好きになった時に取るべき最善の方法は、その人のことをきちんと知ろうと目を凝らし、耳をすますことだ。そうすると、君はその人が自分の思っていたよりも単純ではないことに気づく。極端なことを言えば、君はその人のことを実は何も知っていなかったのを思い知る。
金城一紀著『映画篇』
CM崩壊といわれたり、グーグルアドセンスを初めとしたネット広告の台頭で、いわゆる4マスの広告はもうだめなんじゃないの?という言説も、ブログ界隈では、3年前くらいにはよくされていました。
それは、広告に力がなくなったのではなく、消費者、購買者が変化をしたのにまだ対応をしていないだけのこと。
いろんな情報を発信するにしても、現代は情報が多すぎます。
ずっと以前であれば、「カラーテレビが出ました」といえば、誰でも欲しがりました。
広告会社も、企業の売りたいものを、多くの人に提示すれば、ものが無い時代では、それだけで広告は効果をあげ、企業の売りたいものをうることができました。
しかし、今は違います。あまりに多い情報の中、本当に欲しい情報が、逆に手に入りにくくなっています。
サーチエンジンで検索を掛けても、知りたい情報がなかなかでない時は、本当にストレスです。
サービスなり、情報を欲しがっている人は確実にいます。それらの人にいかに広告をうっていくか。
そのために、絶対に必要な考え方が、上にあげた、金城一紀の言葉です。
本書の中に、何度も出てきますが、相手のことをよく知り、相手が何を欲しがっているか。情報を欲しがっている人は、一体何を考え、どんなライフスタイルをして、どこで広告を目にし、どんな広告を出したら、相手の心に届くのかと言うことを、考える。
お客様視点、相手の立場に立つといえば、昔から商売でいわれていましたが。
どうしても、メディア側、広告会社というのは、「みんなが知らないことを教えてやる」という態度がでてしまいがちです。
たしかに、知られていない情報を提供するのですから、教えると言うことに違いはありません。
ですが、そうやって、上からものを見ていたら、商品で言えばスポンサーの方を見ていたら、広告は成り立ちません。
自分の言いたいことだけを押し付けて、相手が何を考えているかも考えようとしない態度では、やっぱり誰も話を聞いてはくれないでしょう。この商品、この情報を本当に知りたい人はどんな人か。よくよく考える必要があると感じました。
本当に相手の立場にとことん立つと言うことが大事です。
その視点に立てば、広告の未来は明るいのだと感じました。
文中に紹介されている、スラムダンク1億冊感謝キャンペーンには、私もウェブサイトに書き込みをしたので、非常に感慨深いものがありました。