白川静さんに学ぶ 漢字は楽しい
- 作者: 小山鉄郎,白川静,文字文化研究所
- 出版社/メーカー: 共同通信社
- 発売日: 2006/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「思わず納得、目からウロコの大連続」
とオビの所に書いてあるとおり、そうだったんだ!!ということの連続でした。
漢字は元々、表意語ですが、その成り立ちは、象形文字のような作りから出来ています。
白川静さんは、殷王朝の甲骨文字、殷から周の時代に作られた金文を精密に調査して、中国にもない新しい漢字体系を打ち立てた人です。
これを読んでみると、小学校の時にこれを習っていたら、漢字覚えるの楽だったろうなぁと思うものの連続でした。
金八先生の「人という字はささえあって人なんだ」は間違い
「親」という字も、木ノ上に立って見るというのも、間違いというのは、目から鱗でした。
「人」は、単に人が立っている姿を、線形であらしただけのものでした。
「親」が木ノ上に立って見る、なら、「新」という字はどうなるんだという疑問が起きてきます。
そして「親」です。
これは「辛」と「木」と「見」で出来た字です。つまり新しい木でできた位牌をじっと見て拝む形です。新しい位牌は「
父母」のものであることが多く、そこから「おや」の意味が生まれました。その位牌を拝む者たちは、親族であり「したしい」という意味も生まれたのです。
このように系統だった説明がなされて、初めて字説というのが成り立つのです。
ちなみに「辛」は、長い針のこと
中国では、親の位牌を作るために、新しい木を選ぶために、長い針「辛」を投げて、刺さった「木」を切る「斤」という儀式があります。そこから、「新しい」という字が出来たとのこと。
こうやって、系統だってみると漢字を見る目が変わります。
その漢字によって、日本語は思想的に深まったとも言われているのですから本当に有りがたいものですね。