思いやりのこころ

思いやりのこころ

思いやりのこころ

著者の木村耕一さんは、親のこころシリーズや、こころの道―ものの見方、考え方ひとつで、新しい風が吹いてくるシリーズの著者。

今回は、

 今、私たちは、大切なものを忘れてはいないだろうか。
 優しい心づかい、助け合いの精神、謙虚な態度......。
 そんな「思いやりの心」に触れたときの、胸のぬくもりを、私たちは忘れてはいないだろうか。
 昔から大事にされてきた"こころ"を、胸を熱くする古今東西のエピソードや物語、読者の体験談で見つめ直す。
 殺伐とした現在にこそ、真に求められている精神を教えた、日本人の心の原点に触れる1冊。(Amazonより)

中に出てくるエピソードは、主に日本のいろいろな過去の心温まる話や、徒然草の話と、読者投稿という構成です。

前書きの、ディズニーランドのエピソードが、今どきこんな青年もいるのかと、感動しました。

ディズニーランドの食堂で、二人の夫婦が、お子様ランチを注文した。子どももいないのにどうして?と思った、アルバイトの青年に対して、死んだ子どもがせめて喜ぶだろうとおもって、注文をしましたと答えました。

それを聞いたアルバイトの青年は、4人掛けのテーブルに案内をして、子供用の椅子を用意します。

まもなく運ばれてきたのは、3人分のお子様ランチでした。
「ご家族で、ゆっくりお楽しみください」
アルバイトの青年は笑顔で去っていきました。
この心遣いに感動した夫婦は、
「お子様ランチを食べながら、涙が止まりませんでした。まるで娘が生きているように、家族団欒を味わいました……」

殺伐とした、世界に何とも心温まる話です。
ニュースでも、なかなかホッとする話は聞けないものです。

相手の幸せを思いやる、利他の精神が書かれた本。
おすすめです。