ブログスフィア

ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち

ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち

マイクロソフトの企業イメージをブログで変えた男が語る

というオビがついていました。

ブログを企業として、どのように使っていくかということを書いた本です。
これは良書でした。

第一部は、かつて「悪の帝国」とも揶揄されたマイクロソフトが、ブログを通して如何に企業イメージをカイゼンしていったかが書かれています。
Windows95が出た頃の、マイクロソフトと言えば、いろんな企業を買収し、競合する会社をひたすらtubuしていくというイメージがありました。
ブログによって一番変わったことは、マイクロソフトの社内の人間の生の声を出すことによって、普通の人間がやっているのだということを知らせ、決して、ロボットの集まりではないのだと言うことを広めました。

他にも、ブログをはじめることによって、店が繁盛するようになった、テーラーの話なども掲載されています。
その中で、ブログのポイントが上げられています。

  1. 語れ、売り込むな
  2. 頻繁に投稿し、面白いものを書け
  3. 興味のあることについて書け
  4. ブログは費用の節約になるが、時間が掛かる
  5. 人の話に耳を傾けよ

もう一つ、ボーズ・コミュニケーション・デジタル・アドカボシーのトップである、マイク・マニュエルは、ブログによって3つの大きな流れが出来ているという。

  1. ブログはメディアを民主化している
  2. ブログは企業の透明性を高める
  3. ブログは伝統的なPRを変える

企業の透明性を高めると言うことは、何をその企業が考えているのか、悪意はないのか、どういう考えでこの商品を出しているのか、ということを透明化すると言うことです。

ブログは一つの時代に終わりをもたらし、新たな時代を開くものになるだろう。この新時代には顧客に話しかけているだけの企業は勝てない。相手の話を聞かなければならないのだ。私たちはこれを「会話の時代」と呼んでいる。それは世の中を変え、あらゆる企業に大きな変化をもたらすだろう。それは世の中をより小さく、早くしていくだろう

と最後のあたりに書いてある。

ブログの特徴は、双方向であると言うこと。私も最初は、更新が簡単なテキストサイトぐらいの認識でしたが、それは全く違うと言うことが最近分かりました。

昔からのクチコミの場が、すごい勢いで、時間的空間的制約を超えてブログスフィアで展開されています。

一方的な企業のマーケティングがなかなか通じなくなってきたのも、このブログの発展によるところが大きいです。
巨人戦で、CM流せば商品が売れるという時代も、30年近く前にはあったのでしょうが。
それは今は昔となりました。

商品の情報発信は、企業の手から、ブロガーの手に移りつつあるということがよく分かった本でした。
ブログって何?という人にお勧めです。