ブラック・スワン(上)(下)ー現代を生きる最強の処世術書

特に感動したところメモ

P114
反例を積み重ねることで、私たちは真理に近づける。裏づけを積み重ねてもダメだ!(略)観察して得られるものは一方に偏っている。

下巻より

P78
意志決定をするときは、確率(これはわからない)よりも影響(これはわかるかもしれない)のほうに焦点を当てるべきなのだ。不確実性の本質はそこにある。

P209
哲学自身が衰退しているのは、哲学の外の問題を扱わなくても哲学的試作を行うことができるという誤った心念を抱いてしまった結果である………(中略)「純粋な哲学的問題は、常に、哲学の外に源を持ち、そうした源が衰えれば哲学的問題も滅びるのだ………非哲学的問題の圧力を受けて哲学せざるを得ない哲学者ではなく、哲学を「研究」する哲学者は、そうした源を簡単に忘れてしまう。
カール・ポパーの言葉)

P218
自分のつくったゲームなら、だいたいは負け犬にはならない。

リスクとは、いつ、どこで起きるか観察できない上に、予想もできない。しかし、よいリスクに身をさらし、悪いリスクは徹底的に影響を影響を考えた上で推し量ることはできるのだと著者は主張します。

だからこそ、チャンスを最大限に生かし、チャンスに巡り会うためには動く、人に会うことが大事なのだということがよく分かりました。

変な人生術の本よりよほど理屈にかなった本です。是非一読をお勧めします。