ブランドは広告でつくれない−PRこそ大事な時代になったと実感

ブランドは広告でつくれない 広告vsPR

ブランドは広告でつくれない 広告vsPR

企業や商品のブランド構築について、広告ではなくPRで作られるものだというのが、この本の骨子です。

明日の広告にも書かれていることですが、とくの最近は広告の量が増えすぎて、広告に掲載されている情報をみんな信用しなくなりました。

広告はブランド構築するものではない。広告は新しい考えを消費者のマインドに送り込むものでもない。広告は既成の認識に働きかけてその認識をさらに強固なものにしたり、結びつけたりするものなのだ。

まずは、PRありきで、そこでブランド構築ができたら、そのブランドを維持、強化するために広告は使われるものだということです。

しかし、PRによるブランド構築は、時間もかかるし、自分たちが思い描いたようなPRをしてもらえるという保証はありません。

ある分野で世界に君臨する強力なブランドを構築するには、ただ次の2点のみが必要なのだ−我慢と強さ。
我慢とは「PR関係者がパブリシティや客観的第3者評価などの力を得て、着実にブランド構築すること」にじっと耐えることだ。
(中略)
ここだけは負けないという自社の得意分野を持つべきなのだ。

最近の事例だとまさにiPhone&softbankの報道が、この事例にあたります。
iPhoneについては、いまや、macも知らない人でも知っていますし、しかも「かっこいい」と思う人が多いです。
それにつられてかsoftbankの企業ブランドも上がっているようにも感じます。もちろんネガティブな報道もあります(iPhonesafariはすぐ落ちる、もっさりなど)が、圧倒的に好意的なPRがなされ、とくにネット上ではものすごい量のエントリーがなされています。

このiPhoneのブランドが、Appleの広告で構築されたと思う人はだれもいないでしょう。
報道が一巡した後に、またバージョンが上がったり、新サービスでPRがなされていきます。
それを見ている人が、広告を見るから安心もするのです。

広告の役割は、

すでに消費者の心に焼き付いている認識をさらに鮮明にするために、「思い起こさせ」、「啓蒙し」、「深化させ」、「防衛する」という4つの要素

にあります。

担当者としては、いかにPR媒体(全国紙、地方紙、タウン誌、ミニコミ誌、近所の回覧板)にうまく取り上げてもらうかが大事なわけですね。

Blogなどのクチコミもありますが、それもPRなしには、なかなか広がらないというところからすると、やっぱりPRが今のところ、ブランド構築の最善手になりそうです。

大量の資金と、かっこいい広告を打てればブランド構築できるように思っていましたがそれは、間違いだとよく分かりました。

UNIQULOCKがカンヌで広告賞をとりました*1が、それによって私の中のユニクロに対するブランドイメージがどうこうなったということはありませんからね。
「頑張ってるな、ユニクロ」と思いましたが、

これが広告の今日の実態かなと思った次第です。