ソーシャルウェブ入門
ソーシャル・ウェブ入門 Google, mixi, ブログ・・・新しいWeb世界の歩き方
- 作者: 滑川海彦,A5
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2007/04/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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メディアの発信が、国家、企業から、個人へと変遷することによって、私たちの生活がどのように変わっていくのか。というあたりについて分かりやすくまとめてあります。
ウェブ進化論で、はじめてGoogleという会社のやっていることが分かったと言う人にお勧めします。
この中で、wikipediaなどに代表される集合知がうまく機能するときと、うまく機能しない例について書いてありました。
一般に、「三人寄れば文殊の知恵」(集合知)ということばがある一方、「船頭多くして船山に上る」(衆愚)という言葉もあります。後者をさして、だから集合知なんてあり得ないという人があります。
では、どういう場合が、大勢の人が集まっても正しい意見が出ないのか、以下本書より引用
集団が衆愚に陥る要因がいくつか見えてくる。集団が失敗するのは、実は集団が集団でなくなる、さまざまな理由から集団のメンバーの独立性・多様性が潰されて、一枚岩になってしまうことから生じることがわかる。
(略)
防げたはずの「集団の愚行・狂気」を分析すると。
- 仲良しクラブ−メンバーの多様性の喪失。同じ意見、背景の人材が集まって本質的に異なる観点を失っている
- 不合理な圧力−メンバーの間に利害、名誉、地位の上下などによる圧力が働いて合理的な結論を得ることを妨げる
- 情報の溢路−メンバー間の情報のやり取りを効率的に処理するプロセスが存在せず。肝心の情報が肝心の所に届かない。
webは集団の英知を生かす理想的なプラットフォームだ
多様性−誰でも特別な資格なしに参加できる。従来は時間、場所、経済的制約等で発言できなかった人々もwebを利用すれば容易に参加できる。参加者の多様性は従来と比較にならないほど高まった
- 圧力の排除−匿名でも参加できるため、現実世界の、利害・上下関係・因習などからの不合理な圧力が排除できる
- webの情報配信・検索能力−必要な情報が必要な相手に速やかに届く
こういったことを成し遂げるには、必要なのはビジョンを示し引き込んでいく カリスマ性のあるリーダーの存在です。
確かに、wikipediaにしろ、2ちゃんねるにしろ、Linuxにしろ、集合知のサービスには個性の強いリーダーが存在します。
WEBで確実に実現できる素晴らしい点は、この集合知ではないかと思います。